Thursday, August 4, 2016

#30-1 Angeles Crest 100

 (写真:2014年 Angeles Crest 100 スタートライン)





(写真:2014年 Angeles Crest 100 Cloud Burst)

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2016年8月3日(水)  NH6便 17:05発 成田→ロサンゼルス

いま自分はロサンゼルスに向かう飛行機のなか。3日後には30回目の100マイル、3度目となるAngeles Crest 100AC100)が控えている。

ワクワクする?

そう聞かれたら、どっちかと言えば不安かな?


⇒⇒巻き戻すことちょうど2年前。自分は2度目となるAC100のスタートラインに立っていた。最前列に並び堂々としていた。左右には地元の強豪ランナーが揃っていたけど、正直負ける気はしなかった。

結果は?はじめてレースで潰れた。

60マイル地点にいた自分といえば地に這い蹲り、自分の吐いたゲロの上に顔を乗せていたほうが、よっぽど立ち上がって歩くより楽だった。

はじめてレースでDNFを考えた。この当時DNFすることに抵抗があった。自分に負けてしまうようで嫌だった。でも、こんな状態でDNFをするんだから、仲間にも胸を張ってDNFが出来ると思えた。

予定より9時間も遅く74マイル地点のChantry Flatsに着いた。クルーのMiekoさんにDNFを告げると「私はあなたを絶対にゴールさせてあげる!」と、あっさり断られた。

自分は今日ここに勝ちに来たし、こんな状態で、こんなタイムで、こんな順位で、そしてこんな姿で走り続ける意味は正直なかった。何度も何度もDNFをすることを告げては断られ、でも最後の最後の説得で自分の胸に突き刺さった言葉があった。

「こんな最悪な状態だからこそ諦めて完走しなかったら、あなたは真の100マイラーにはなれないわよ、一生後悔するわよ」という一言。

2度目となったAngeles Crest31時間29分17秒で終えた。過去に走ったレースのどれよりも遅く、苦しく、悔しく、地獄をみたけど、手にしたブロンズバックルは、1回目にもらったシルバーバックルよりも、過去にもらったどのバックルより嬉しかった。そして何よりも100マイラーとして完走をする大切さを学んだ。(詳しいレポは英語だけどこちら


⇒⇒早送りすること8週間前。自分は29回目となるテング24耐を23時間14分で走り終え、大きな手ごたえを感じていた。8週間後に控えるAC100に向けて更なる追い込みをしたいと考えていた。がしかし、テング24耐で転倒した際に痛めた膝が原因で治療だけでここまでまともな練習は出来なかった。

この夏一番のレースだけあって、走れないもどかしさ、でも走ってしまったら治らない現実が常に頭の中で錯乱していた。その反面、今後100マイルを100本走るなかでのたったの1本だよね?たった1マイルだよね?まだ30マイル地点だよね?そんなに焦ってどうするの?という声も聞こえてきた。

今後100マイルを100本走るなかで、もっと辛くてどうしようもない場面ってきっと出てくると思う。いや、絶対に出てくるはず。もし、この状態で今回のAC100を乗り越えられたなら、更なる経験値や自信に繋がるに違いないし、自分を大きく成長させてくれると思う。もしかして、これってチャンス?そう言えば、ピンチはチャンスって言葉があったな!

ワクワクする?

そう聞かれたら、ビックリ箱を開けるような心境かな。

今回はどんなサプライズがあるのか?ハプニングがあったら自分はどう対処するのか?どんな心境になるのか?意外と走れちゃったりするのか?100マイルは最後まで何があるのか解らない!とにかく楽しみ!だってまた大好きな100マイルを走れるのだから!

ロサンゼルスまであと2時間もすれば着く。右横にはさくらとさっちゃんがすやすや寝てる。いつも支えてもらっているこの二人に良いところを魅せたいな。

rd_tomo