Friday, September 30, 2016

#32-2 IMTUF100 - Race recap

なんか前回のCCC100 (Cascade Crest)で、100マイルの究極の走り方は「コレだ!」的なものを掴めたような気がした。54マイル地点のHYAKからの残り46マイルが短く感じ、時間も「あと数時間しか走れない」と終ってしまうことが惜しくも思えた。

過去の100マイラーが残してきた名言で「最初の70マイルは賢く走れ。残りの30マイルは気持ちで走れ!」というのがある。今まで頭では理解はしてたし、そう走ってきたつもりだったけど、心身共にやっとそんな走りが出来たような気がした。

IMTUFではそんなフワッとした感覚をもう一度体験して、再度自分なりにアウトプットしたかった。うっすらと頭と身体に残っている記憶を真っ白なキャンパスにもう一度描いて今度は本気で自分のものにしたかった。

レース序盤はいつものようにマイペース。人と話しながら走っていても息切れすることなく気持ちいペース。作戦としてはCCC同様に後半からペースを上げて、あわよくば最後は出し切ってオールアウトすること。IMTUFの後半戦は60マイルからだと思っていた。

序盤でOrcas Islandで友達になったMattと前後する展開が続いた。次第にペースも合いはじめて一緒に話しながら進んだ。ゴールの目標タイムを聞くと自分よりは少し遅いsub27Mattと走るペースは心地良かった。心の中でCCCのときの走りと客観的に比べながら「そうそう、この感じ」と何度も体話した。

途中からMattの友達のJeffがペースを落として、自分たちのパックに吸収された。「Hi Jeff! My name is Tomo nice to meet you!」彼はカナダのチームSalomonのメンバー。気さくでとってもナイスガイ。日本のトレランのことや、彼が住むNorth Vancuverの話で盛り上がった。

40マイルのDuck Lakeエイドに着いたところでHURTCCCで友達になったKevinに追いついた。「Tomo, I thought you were going to catch me!」ここからKevinも自分たちのパックに吸収されて一緒に進み始める。Kevinを知らないMattJeffKevinを紹介して更に会話に花が咲いた。

Duck Lakeから続く長いアップヒルを淡々と走っているとDrewがアメリカンジョーク的な感じで声を掛けてくれた。「君がここを走っていたら、歩いている俺が格好悪く見えちゃうだろ!」Drewは過去にIMTUF1002度走っていて、今回は夢のsub27を目指しているとのこと。コースの一部始終を細かく知っていて、この先のコースプロファイルや、注意しなければならないことを物凄く細かく教えてくれた。気がつけばパックはMattJeffKevinDrew、自分の5人で自然に走っていた。ふと桃太郎みたいな展開だなぁ~と思う。

Snowslide Trailheadからは雨も大降りになり、寒さも(5℃くらい)増してきた。だからこそパックでいる意味があり、辛いときは引っ張ってもらい、元気なときは仲間を引っ張った。そうそう、今日はじめて会うメンバーも、過去に片言しか話したことがなかったメンバーも、共に行動する時間も増えて多くを話せば仲間になっていた。

途中おなかが痛くなったときは水溶性ティッシュをMattがくれた。Jeffのヘッデンが切れたときは自分の予備ヘッデンを貸してあげた。Kevinが眠くなったときは皆で励ました。Drewがマジでsub27出来るように皆でどんなペースで進めばいいか考えた。ひとりひとりが自然に交代交代で先頭に立ち合いながら引っ張り合うフォーメーションが心地よかった。

60マイル地点のLake Forkに着いた。作戦では60マイルからはペースを上げて爆走するつもりでいた。ここまでペースも抑えたし、脚も残っていた。でも頭の中で二つの分岐ができた。ここからペースを上げて少しでも順位をあげてタイムも縮めるのか、それともこの仲間と一緒に進むか。

結果、この仲間と一緒に進むことを選んだ。

CCCで掴みかけた走りをアウトプットできないもどかしさはあったけど、それ以上にこの仲間のおかげで100マイルの新しい楽しさを学んだ。100マイルは個人競技という概念を見事覆してくれた。無理やりではなく、自然に導かれるようにパックになり、まるでチームスポーツのように助け合った。

100マイルって距離が長いし時間も長い。だから人生のような浮き沈みの連続を小さなパッケージで1日や2日で体験できる。様々なドラマは毎回あるけど、今回のこの体験はホント自分の100マイル人生を新しく切り開いてくるような体験だった。

タイム:26時間23分29秒 総合12位

この写真を見るたびにこの仲間と一緒に走れて良かったと思える。

   (Photo: Jeff Pelletier)

左からrd_tomo、Jeff、Drew、Kevin、Matt、、

みんなありがとう!

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そして100マイルの究極の走りは?

まだ先は長いし、目標まであと67回もある。

100マイルのように焦らず、そのうち手に入れられたらいいかな。

次の100マイルが楽しみ!

rd_tomo